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 モノに対する供養とは、使い込んだモノ、愛着のあるモノ、それらを手放す時の、いわば別れの儀式のようなもの。
人間だけでなく、モノに対しても感謝と敬意を表す、まさに日本人の美しい心根を伝える風習だと言えるでしょう。
今も日本各地で様々な供養の儀式が行われています。
古都・京都に多い由緒正しき供養

なかでも日本文化の源泉地・京都では、歴史的な背景を持った供養の儀式が数多く営まれています。
例えば、禅宗の門跡寺院・宝鏡寺は“人形の寺”として知られ、毎年「人形供養祭り」が行われています。
宝鏡寺は歴代皇女が入寺されていたために、ひな祭りのたびに御所から人形が贈られていたことから“人形の寺”として知られるようになりました。
人形塚も建立され

毎年秋にはこの塚の前で、人形たちと人々との間で別れの儀式が行われます。人形供養祭りを主催しているのは京人形商工協同組合ですが、京人形はもとより、海外からの人形たちも奉納されるそうです。京都には、ほかにも“筆の寺”として知られる東福寺山内正覚庵があり、ここでは毎年秋に「筆供養」が営まれます。
奉納された筆やペン、鉛筆等の供養が行われ、それらを火中に投げ入れ、その煙を浴びると字が上達するといわれています。
刃物や包丁も供養してもらえば安心

 ところでみなさんは、使い古した刃物や包丁をどう処分されているでしょうか?
 長年手に馴染んだ刃物を手放すのは少々寂しいし、またゴミとして出すにはちょっと気が引けてしまう……。

そんな時にありがたいのが「包丁供養」。
刃物の産地として知られる大阪府の堺市では、堺刃物商工業協同組合連合会主催で、毎年包丁供養が営まれます。
同組合では、昨年供養塔を建てたそうです。
そうすることで、包丁供養の日以外でも、この供養塔に刃物や包丁を入れておけば、組合が神社に持参し、供養してくれる、とのこと。
ちょっとうれしい心遣いです。
ちゃわん供養で、新しいちゃわんがもらえる!

 こうした産地主導型で供養の儀式を行っているのは、他にも数多くあります。

例えば焼き物の産地として知られる有田では、有田焼400年の伝統を守ってきた職人たちの偉業をたたえると同時に、日頃使っているお茶碗に感謝しようという目的で1983年から「ちゃわん供養」を行っています。

有田焼卸団地協同組合が主催する「有田のちゃわん祭り」の初日に神事が執り行なわれ、ちゃわん祭り期間中は「春ちゃわん交換」として、欠けた茶碗や、古い茶碗を持参すれば、一人一個に限って新しい有田焼の茶碗と交換してもらえます。
もちろん持参した茶碗は丁重に供養してくれます。
産地ならではの供養スタイルです。

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