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身の回りを見渡すと、キッチンにもリビングにも百円ショップで買ったものがあふれている、そんな人も多いだろう。
しかし、日本に古くから伝わる、職人の手仕事で紡ぎ出された生活用品には、なんとも言えない味と魅力があるもの。
特に千年の歴史を誇る古都・京都には、そんな職人の手技の心が今も息づいている。
百年の時を超えて、今も手仕事で伝えられるそれらの技は、伝統工芸として認められているほどだ。
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茶こしさえ職人の手にかかると…

例えば、どの家庭のキッチンにもあるザルや茶こし。大概の家庭で使っているのは、工場で大量生産されたものだろう。
しかし、職人の手仕事で丁寧に作られる金網製品もある。
京都の中京区にある「辻和金網」のご主人、辻善夫さんはこの道50年の大ベテラン。
お父さんの代から数えて2代目で、百年続く手作り工芸の担い手だ。
「子供の頃から家業を手伝わされていましたから、自然にこの仕事を継ぐことになりました」と言う。 現在は3代目の息子さんと一緒に、工房で日々金網を編んでいる。
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レース編みを思わせる美しい模様。

辻さんの手から生まれる製品は実に多彩。銅もしくはステンレスの金網だけで、茶こしから、ザル、あみ杓子、果ては看板や花瓶など、あらゆる家庭用品が生み出される。
一定の、しかもかなり早いリズムで金網を手で編んでいき形を作る。
針金が見せるシンプルな模様は、レース編みのように規則正しく美しい。

金属の無機質な物体が、手仕事によって温かみを生み、台所に清潔な華やぎを与えてくれる。
大量生産にはない、温かみ。これが辻さんの製品の特長だ。しかも1000円前後から手に入るというリーズナブルさ。
料理屋からの注文が多いそうだが、店舗を兼ねた工房に出向けば、その場で辻さんの作品を買うことができる。
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長く使える、温かみのある生活用品。

丁寧に手仕事で作られた製品だけに、大量生産のものとは断然、耐久性が違う。
それでも綻びが出来た時は、辻さんのお店で修繕してくれるそうだ。
茶こしひとつからでも受けてくれると言う。

「ほんまはチャチなもんを作って、新しいのをどんどん買うてもろた方が売り上げになるんですど、丈夫に長いこと使てもらうようにしっかりと作ってます」と辻さんは笑う。
火に対する強さと、メンテナンスのしやすさでは、ステンレスに軍配が上がるが、銅製の金網の良さも捨てがたい。

最初はピカピカの道具が、使い込むうちに銅ならではの渋い飴色に変化し、そのころにはしっくりと手になじむようになる。家族の歴史と同じ歩調で、道具も時を刻んでいく。
「伝統工芸や言いますけど、そんな大層なもんやと思てません。お客さんに『まだ使てんねん。長持ちするわ』と言うてもらうのがうれしいだけです」と辻さんは照れ笑いをする。
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| 辻和金網 京都市中京区堺町二条上ル TEL : 075-231-7368 |
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