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 住宅の建材などから出る化学物質が原因で、目やのどの痛み、頭痛など数々の身体の不調が起きる「シックハウス症候群」。

最近大きくクローズアップされてきたこの問題について、ついに国が重い腰を上げた。
国土交通省は、化学物質を使った建材の使用について、平成12年10月より施行の「住宅性能表示制度(任意)」では、使用している建材のホルムアルデヒド放散量のチェックを明らかにした。続いて翌年8月には、消費者の要望を踏まえ、建設評価段階でホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エテルベンゼン、ステレンの5物質の濃度測定(任意)を申請できる項目も追加した。
これについて、一級建築士で健康住宅の設計を数多く手がけてきた山本堯子さんはこうコメントする。

「社会の関心や要求が大きくなって、ついに行政を動かした、といった感じです。それだけみなさんに注目されている問題だと言えますね」。
建材に含まれる化学物質が原因。

 山本さんたちのグループでは、10年以内に建築された建物を対象に、住宅の調査を行った。すると、体調の不調を訴える人の住宅に、ホルムアルデヒドの高い数値が見つかった。このホルムアルデヒドは、住宅で発生しやすい化学物質の代表格で、接着剤に多く使用されているもの。
目やのどの痛みの原因になりやすい物質で、発ガン性も疑われている。

 バブル期や震災後といった建設ラッシュの頃に建てられた住宅は、特に汚染がひどいという。
なぜなら、施工しやすさや手入れのしやすさで建材が選ばれているため、化学物質を多く含んだ速乾性の高い塗料や接着剤が使われているケースが多いからだ。

「もちろん、住まいの環境を汚している原因には、他にもいろいろな要素が考えられますが、このホルムアルデヒドを含めて、汚れの元を追求することが先決です」と山本さんは警鐘を鳴らす。
空気の汚染状態を測定してみる。

 シックハウス症候群への不安や、原因不明の体調不良に悩んでいる場合には、まずホルムアルデヒドなどの化学物質によって室内の空気が汚染されていないか、それを測定することが肝心だ。

 厚生労働省では、人体に有害とされる8種の化学物質について、室内濃度指針値を設定している。これは、人がその化学物質の示された濃度以下のばく露を一生受けたとしても、健康への害はないだろうと判断され、設定されている数値だ。
ただし、ホルムアルデヒドについては、短期間のばく露によって起こる毒性を指標として策定されている。

 この数値を基準として、建築士や施工業者に頼めば、住宅の空気の汚れを測定してもらえる。ただし、空気中にある微量の化学物質を調べることと、化学物質の濃度は、測定時の温度・湿度などの環境条件によって変動することも認識しておきたい。
また、化学物質に対する反応は個人差が大きいため、同じ空間内で暮らしている家族の中でも症状が出る人と、まったく出ない人がいることも理解しておこう。
まずは換気を徹底する。

 もし、化学物質の高い数値が認められたらどうするか。
シックハウスの原因となる物質の多くは、空気中に広がるので、とにかく換気をまめにして通気性を良くすること。
特に高気密のマンションなどでは、毎日の換気を徹底する。

戸建住宅なら、床下に換気装置を設置するのも効果的だ。また、住宅そのものだけでなく、家具やカーテン、衣類の防虫剤、芳香剤、シャンプー・リンスなども空気の汚染原因となっている場合があるので、疑わしいものは取り除く。
ハーブやお香といった自然素材のものがおすすめだ。

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