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 こうした地道な努力をしても改善の余地が見られない場合は、リフォームか引っ越し・新築という手段が考えられる。
 
「リフォーム・新築の際に最も大切なのは、シックハウス症候群に対する意識が高く、経験や知識を持った設計者や施工業者に依頼することです」と山本さん。

もちろん、すべてを業者まかせにせずに、施主も建材や部材に対する知識を持つことが重要だ。
そして、風通しのいい家づくりをめざすこと。部材選びと風通し、これが健康住宅に生まれ変わるポイントになる。
随所に自然素材を使った健康住宅

 山本さんたちのグループでは、10年以内に建築された建物を対象に、住宅の調査を行った。すると、体調の不調を訴える人の住宅に、ホルムアルデヒドの高い数値が見つかった。このホルムアルデヒド は、住宅で発生しやすい化学物質の代表格で、接着剤に多く使用されているもの。
目やのどの痛みの原因になりやすい物質で、発ガン性も疑われている。

 バブル期や震災後といった建設ラッシュの頃に建てられた住宅は、特に汚染がひどいという。 なぜなら、施工しやすさや手入れのしやすさで建材が選ばれているため、化学物質を多く含んだ速乾性の高い塗料や接着剤が使われているケースが多いからだ。

「もちろん、住まいの環境を汚している原因には、他にもいろいろな要素が考えられますが、このホルムアルデヒドを含めて、汚れの元を追求することが先決です」と山本さんは警鐘を鳴らす。
空気の汚染状態を測定してみる。

 このほか、壁には珪藻土(けいそうど)と呼ばれる、海の底にたまったプランクトンを原料とした土を使用し、2階の和室には、和紙を丁寧に張った。
こうして徹底的な健康住宅が完成。
しかも部材選びを山本さん自らが生産者と掛け合って行ったため、建築費用も抑えることができた。

「和紙は接着剤ではなく、小麦粉を溶いてのりを作り、お客さまと一緒に張ったんですよ」と山本さんは笑う。
「お施主さんは、自分も家づくりに関わった、ということで愛着も人一倍湧いておられるようです。

確かに自然素材を使うと、手入れが面倒です。
けれどそうして手をかけて大切に住むことが、住む側の健康にもつながるし、住まいと長く付き合うことにもつながってくるんです」。

健康に暮らすこと、それはすなわち心豊かに暮らすことでもある、と言えるだろう。
取材協力:有限会社プランニングオフィス 山本堯子
E-mail  :p-office@eagle.con.ne.jp

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