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[人形の天命館]花火の町へ、行こう!
松屋町筋商店街が聖地になった理由…
大阪市中央区にある松屋町筋商店街。大阪の人は親しみをこめて「まっちゃまち」と呼ぶ。元々、玩具問屋街で、今も「人形のナニナニ・・・」あるいは「ナニナニ人形店」という看板が、南北2kmほどの道路の両端にずらりと並ぶ。 ところが5月の声を聞くと、人形とは直接関わりのない花火が多くの店舗のメイン商品に早変わり。夏休みに入ると、花火を買い求める一般消費者で商店街は大賑わいになる。一体なぜ、いつの頃から問屋街の松屋町筋商店街がおもちゃ花火の町になったのか。そのすべてを知り尽くしたお店、株式会社「人形の天明館」にうかがった。
なにわ商人の目利きはスゴかった!
松屋町筋商店街に4つの店舗を持つ株式会社人形の天明館。専務取締役の丹生光宣(にう・みつのり)さんが、松屋町筋商店街と花火の関係について教えてくれた。「現会長が昭和30年にこの店を創業したのですが、当時はとにかく日銭を稼いで売上げをあげたかった。そこで、ひな祭りと五月人形の季節が終わった夏のきわ(季節商戦)に、花火を扱い始めたんです」。人形のオフシーズンを利用して、人形屋が花火を扱う。会長のこの見事なアイデアは問屋街のほかの店舗にも行き渡り、いつしか松屋町筋商店街は花火の町へ。パイオニアである人形の天明館では、年の初めからひな人形、続いて五月人形、夏は花火を扱い、冬はクリスマス商品と三毛作の商いをうまく切り盛りしている。なにわの商人の見事な商才だ。
5月から9月まで、ここなら花火が買える。
元来、松屋町筋商店街は問屋街だが、今は花火を買い求める一般消費者が目立つ。この変化は平成のはじめ頃に起こったと丹生専務は言う。「テレビや雑誌で、松屋町筋商店街が花火の町として取り上げられるようになって、以降、小売りのお客さんがどっと増えました。それに伴って、花火を扱う期間も変わりましたね。昔は7月末の大阪の天神祭が終わると、花火のシーズンも終わりでしたが、今はその頃からピークになって、9月頃まで続きます」。
夏休みは終わったけど、未だ花火が楽しみたい。そんな声にも花火の町なら答えてくれる。最近では大晦日のカウントダウンを自分たちで楽しみたいと冬場に花火を買っていかれるグループも多い。夏場のように店内一面が花火だらけ! ということはないが、きちんとストックを用意している。ちなみに、松屋町筋商店街で売られている花火はいわゆるおもちゃ花火に限定されてます。ただ天明館では大阪府より「火薬類販売営業許可」を得ていて、各地の花火大会で使われるような巨大花火も扱えないことはありません。但し、一般の方が「欲しい」と思っても法律上、手に入れる事ははできないので、念のため。
毎年50種類が入れ替わり、常に600種類がそろう!
花火の町のパイオニア・人形の天明館は、品揃えの豊富さでも群を抜いている。600種類の花火が店頭にズラリと並ぶ様は壮観だ。
「花火にも鮮度があります」という丹生専務。すなわち、花火にもトレンドがあるため、常時600種類の商品を持つ人形の天明館でも、毎年50種類ほどの新作花火を仕入れ、花火の鮮度を保っているそうだ。「入荷商品はすべてうちで試し打ちをします。新商品もとりあえず1ケース買ってみて、自分たちの目で確かめます。この時は素人の目で見てますね。きれいやな、面白いな、と思った商品はやっぱりよう売れます」さすが花火のプロ。花火業界の仕組みは、まず製造メーカーがあって、その次に製造問屋があり、各店舗ではこの問屋から仕入れをする。老舗の人形の天明館の場合、多くの製造問屋と取り引きがあるため、多彩な種類を揃えることができるという事情があります。
花火の種類についての豆知識。
ここで、おもちゃ花火の種類について説明しておこう。おもちゃ花火は、大きく分けて「打上(うちあげ)」、「噴出(ふきだし)」、「小物」に分けられる。さらに打上は連発モノとして知られる「乱玉」とに分けられ、「手持ち」は紙で巻いた「すすき」と、「スパーク」と呼ばれる練り物の2種類がある。かたや「噴出」は火花を吹き出すタイプで、「小物」はヘビ玉や煙幕といった、煙や動きが特長の小さな花火がそのカテゴリーに入る。
注目の打上、人気の噴出はコレだ!
「花火にも鮮度がある」と語る丹生専務に、人気の花火や注目の花火、イチ押し花火について教えてもらった。
まず打上でのイチ押しは「椰子」(1,500円)。20mほど上がって、10m近く広がる美しい花火で、まさにヤシの木のよう。もうひとつが「紅芯入菊牡丹」(700円)で、迫力のある音とカラフルな色が特長だ。ここ数年人気を呼んでいる花火が「飛び魚」と呼ばれる打上。星(火の粉)に短く切った導火線を使ったのが特長で縦横無尽に光が飛ぶ面白い花火だ。この他、輸入品の小ぶりの打上なら、150円から300円までで、楽しめるものも多い。
連発モノでは、18連発×6の108連発が話題の「ミラクルショット」(2,400円)が迫力満点。噴出モノは、虫が飛び回るように火の粉が舞う「暴れ蛍」(150円)も小振りながら面白い。また、走るタイプの「F-1」(500円)や「バギー」(500円)なら、子どもたちには大受けだろう。
気軽に楽しめる、手持や小物の新作色々。
手持の花火も多彩だ。注目は、花火では珍しい青の光を楽しめる「ジャパンブルー」(100円)。サッカー日本代表の青をイメージして誕生したもの。眩しいくらいの光が特長の「レーザー光線」(100円)や、文字通り暴れ方が面白い「あばれん棒」(200円)も人気だ。個性の強い手持ちが人気を呼ぶ一方で、線香花火も新たなブームを呼んでいる。それは国産のちょっと高級な線香花火。1,000円前後するが、国産だけあって火花が細かく、その風情と美しさが人気のヒミツだ。小物での新作は「レンジャーパラシュート」(5本入り600円)。高さ20m上がるロケット花火だが、最後にパラシュートが降りてくる、というギミック付き。パラシュートが付いているので、落下地点がすぐわかり、今までのロケット花火にはない“エコ”な花火だそうだ。
松屋町筋での上手な選び方、買い方。
単品で好きな花火を買えるのが、花火の町・松屋町筋商店街の魅力だが、「何をどれだけ買えばいいかわからない!」という時は、セット花火というチョイスもある。「最近のセット花火は、値段や量だけでなく、テーマ別になっているのも多いですね。例えば“初心者向け”とか“音の苦手な人向け”とか。そういうものを選ばれるのも一案です」と丹生専務。人形の天明館で扱っているセット花火は60円から10,000円以上するものまである。
いちばんいい花火の買い方は、プロに相談すること。「何人ぐらいで、どこで花火をするのか、どんな花火がしたいか、予算はどれくらいか。だいたいで結構ですので、条件を言って頂ければ、私たちが選ばせてもらいますので、気軽に声をかけていただきたいですね」と丹生専務。花火のプロに相談して、ベストな花火を手に入れる。花火の町だからできるワザだ。
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