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ミュージアムのウラ側

 
昨今、一口に「ミュージアム」といっても、実にさまざまな形態の博物館や美術館が増えています。大阪市は天神橋筋六丁目にある、住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」は、江戸時代の大阪の町をリアルに再現した博物館。今回、CityDO!編集部は、このようなユニークな博物館の展示企画に関わられた立役者のお一人である、博物館学芸員さんに、インタビューをさせていただきました。
ミュージアムの新しいカタチ
 

さて、今回取材に応じて下さったのは、住まいのミュージアム副館長兼学芸員でいらっしゃる、新谷学芸員さん。まずは、こちらのミュージアムのコンセプトをお伺いしました。
住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」は、2001年4月にオープン。大阪市住宅局から委託を受けた大阪市住宅供給公社によって運営されています。この建設の計画が始まったのは開館の10年前。実は大阪市住宅局では、大阪の住居や町の歴史的建築をどのように現代に活かすかという問題意識のもと、専門家を交えての調査研究がなされていました。そんな中、その研究内容をわかりやすく形にして広く市民の方に知ってもらおうということで、1991年、ミュージアム建設のプロジェクトが立ち上がったのでした。


↑建物の中であることを忘れてしまうような大空間。
テーマパーク的感覚で、ファミリーでも楽しめる。
展示のメインとなったのは、江戸時代の大坂の町並みを実物大に再現した、「なにわ町家の歳時記」。天井までの高さが15メートルもあるドーム型の大空間に、風呂屋、呉服屋、小間物屋、薬屋など様々な商店が立ち並び、店内はもちろん、通りや路地裏の雰囲気まで、歩いて楽しむことができます。
建築物や小物のそれぞれが細部にわたって製作されており、まるで江戸時代にタイムスリップしたような感覚を味わえます。

↑写真左から、人形屋、唐物屋、小間物屋の店先。商売盛んな大坂では、ありったけの商品を店頭に広げるので、町全体が繁盛して見えたという。

このようにユニークな展示形態をとっている住まいのミュージアムですが、新谷さんによれば、一般的に他の博物館と比較して、次のような特徴をあげることができるそうです。

【特徴1】 環境(空間)再現型ミュージアム
 展示品を個々として陳列するのではなく、空間として再現している。
【特徴2】 体験・体感型ミュージアム
 展示品に触れたりしながら体験・体感できるような工夫がなされている。
【特徴3】 時間再現型ミュージアム
 照明や音声効果で、時間や季節による変化を表現している。

中でも斬新なのが、3つめの特徴にある、時間を再現した演出。朝・昼・夕・夜の雰囲気が、明かりの色や加減、また人のにぎわう声や犬の遠吠え、虫や鳥の鳴き声で表現されており、特に夕方は、なぜか懐かしいような、とても趣深い情景となって立ち現れます。

このように、<いかにリアルに大坂の町の魅力を再現することができるか>という点に、可能な限りこだわり、さまざまな方法を駆使して誕生したのが、住まいのミュージアム。従来の博物館の固定概念を超え、からだ全体で大坂の雰囲気・趣を感じることのできる空間となっています。
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