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武士の給与
 加賀前田百万石、などと表現される単位「石高」。戦国時代のシミュレーションゲームなどでお馴染みです。
 この「石」は米の単位です。10合=1升、100升=1石で計算されます。これは1人の人間が1年間で消費する米の量を基準に決められていて、実になかなか合理的な単位なのです。

 この単位を日本経済の基本単位にすることを思いついた政治家が、天下統一を果たした豊臣秀吉。米の生産量で土地を評価し(太閤検地)、武士の給与は土地の所有権で支払うこととなりました。冒頭の加賀前田百万石は、加賀藩前田家の領地の米の生産量は年間百万石という意味になります。加賀前田藩は人口約100万人を養える計算となるのです。これは現代のヨーロッパの小王国並みの国力です。

 さて、時代を少し巻き戻して、戦国武将といえば戦争。当時の下層武士の多くは普段は農民でしたので、兵隊に雇うときは武器や防具、食費に特別手当を支給しないと人は集まりません。食事付・制服貸与のアルバイトを雇う感覚に近いのでしょうか。100石あたりおよそ3名〜5名の兵を徴発できたようです。仮に前田藩が戦争を起こすとなると、大体3万〜5万の軍勢になると予測がつくわけです。

 さて、ここからどんぶり勘定です。関が原の戦いでは東西両軍合わせて総勢約15万の兵が戦いましたが、その戦費たるや兵隊の人件費だけでも300万〜500万石。当時の日本が全国で1850万石といいますから、現代風に言えば、もしやGNPの30%を浪費した大合戦?!なんて推測ができます。

 何千・何万という兵が毎年のように激突していた戦国時代。大名の出費も半端じゃなければ庶民の儲けも半端じゃない。しかも負け戦になると兵のほとんどは逃亡してしまうので死傷者も少ない。戦国の合戦の経済効果を思うと、戦国時代は日本の人口が2倍に増えた活気ある時代という説も納得できます。
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