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公出挙という貸付制度では、春に国司が貧民に貸付し秋に5割の利息とともに返済させます。例えば、10万円県から借りれば15万円も返さなくてはなりません。雪だるま式に膨らむ借金のために借りる先は銀行からサラ金へ。昔も貴族や地主などは10割の利息をつけて貸し付けたと言いますから、10万円借りれば20万円にしないといけません。ちなみにこの利息による収入は私腹を肥やす目的ではなく、不作や飢饉のための備蓄米として貯蔵されました。
しかし利息率はめちゃくちゃ高いです。いくら昔とはいえ、こんな無茶が通ってよいのでしょうか。実はいいんです。
現在、1本の稲穂から100粒の米が取れるそうです。1万円を上手に半年育てたら秋には100万円になる計算。水田は正に金の成る木なのです。10万円借りて10万円分植えれば秋には1000万円の収入になり、しかも借金の精算額は多くても20万円。利息なんて微々たるものなのです。1年分の生活費に相当する貯金をもって水田事業を始めた場合、税金5%を引いて初年度930万円の粗利。実に93倍の投資効率。意外なくらい儲かります。
だったら、大きく投資して大きく稼ぎたいのが人情というもの。ところが、一人の人間の労働力はたかが知れていて、しかも耕せる口分田の広さは一定です。大金持ちにとっては投資も稼ぎも上限が見えて面白くない。
そこで登場したのが新しい土地を開墾した場合、特例として私有地にできる墾田永年私財法。私出挙の借金のカタに取られた農民が、貴族や地主にこき使われて彼らの荘園を耕すようになりました。もちろん、労働条件が良ければ、人はどんどん口分田を捨てて荘園に集まるようになります。捨てられて荒れ果てた口分田は、そこを再開拓した貴族の荘園となって再生することもありました。こうして貴族の時代が来たのです。
10世紀初頭、公地公民の制は約200年の寿命を終えてしまいました。しかしながら、日本の土地本位制や土地信仰は、この時代を出発点として発展していくのです。
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