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公共施設マネジメント白書(2)

 公共施設マネジメント白書の目的は、学校・公民館・保育園等の箱ものと下水道・橋梁・道路等のインフラ(都市基盤施設)の老朽化度合いを把握し、更新に係る時期や財政負担を明らかにすることにある。そして、計画的な再整備、効率的な維持・修繕計画の立案に役立てることにある。再整備にあたっては、既存の施設をそのまま更新するか否かを判断しなければならない。当然、統廃合も必要になってくる。そこで、利用状況のデータも欠かせない。
下図は藤沢市の地区別の市民の家の利用状況を示している。これによって、あまり使われていない市民の家の活性化をどうするか、建て替えが必要なのか、議論の視点が与えられる。


(藤沢市公共施設マネジメント白書p82より)


次の図はコスト情報で、例えば書類の交付数など少ない窓口業務の方が職員数が多く人件費が高ければ、業務や職員配置の見なしが課題となってくる。


(藤沢市公共施設マネジメント白書p40より)


公共施設の更新や統廃合にあたっては、住民や職員の反対や抵抗があったり、声の大きな関係者の要望が通りがちとなる。そこで、公正な議論と適正な更新計画のために白書が有効だということがわかる。白書の活用として、藤沢市や習志野市で行われているように、住民の白書を読む会の開催があげられる。実際に電卓をたたいて、コストパフォーマンスを計算してもらうのもよい。
白書の記載内容や作成の方法において課題もある。これまでの白書は箱ものに限られてきた。今後は、統廃合が困難で更新費用が莫大にかかる下水道等のインフラのデータが求められる。各関係部署で把握しているデータを白書にまとめ、縦割りではなく、横断的に更新のあり方を検討するにあたって重要となる(橋梁など調査整理されていないこともある)。
利用状況の把握において不要な項目も見られる。白書の作成にあたって、コンサルタントに依頼する場合があるが、白書自体の更新も課題となる。各部署に調査票を配布し、白書担当部署が集計するわけであるが、コンサルに依頼している場合、前回見たような築年別整備状況等の計算がブラックボックスで行われ、白書更新時に再度集計し直さなくてはならなくなる。そこで、白書作成に係るフリーソフトを開発しようという動きがあり、十分な予算と体制が取れない自治体には朗報と期待できる。
いずれにしても白書を作成することは目的ではない。公共施設全般のデータの把握と住民による議論に活用し、適切な更新計画のために作成するのである。最も大切なのは、更新の計画と実施に他ならない。
秦野市は職員自ら作成した。そして、公共施設更新計画のあり方を議論する外部有識者による委員会を発足させ、白書作成から更新計画に向け次のステップへと進んでいる。



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