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カクテルの王様と言われるこの飲み物は、ジンとベルモットの割合で随分と違った味になる。
そのレシピは実に数十種類もあると言われる。
【ドライマティーニ】Dry martini
材料
ドライマティーニ

撮影協力:GROVE cafe(グローブカフェ)
ドライジン  …  50ml
ドライベルモット  …  10ml
オリーブ  …  一個
レモンの皮  …  少々

レシピ
ミキシングは手際よく、氷が溶けないように……

1. ドライジンとドライベルモットをミキシンググラスに注ぎ入れる。

2. よく水を切った氷を入れて、バースプーンで手早くステアする。

3. オリーブを入れたカクテルグラスに注ぎ、レモンピールを絞る

レモンピールとはレモンの皮を小さく切ったものを、外側に二つに折った時に飛ぶ皮のしずく。

至ってシンプルなカクテルであるが、それだけに奥が深い。ベルモットの割合を少なくすればするほどドライな味わいになる。

かのウィンストン・チャーチルが好んだと伝わるのは、ベルモットのボトルを眺めるだけで、ジンを飲むという究極のドライマティーニだったとか。
カウンターに片肘ついて
気取っていると言われるが、これが好きなのだからしょうがない。

『外国人じゃあるまいし、マティーニなんて飲む奴はいないぜ』なんて、彼らは一笑に付すが、俺がやっと飲める年頃になった時じっちゃんが連れてってくれたバーのカウンター、マティーニを出すマスターの仕草のカッコ良かったこと。

酒好きのじっちゃんが、俺の成人を喜んで一緒に飲みに行ったときの事。
『まずビールの前に力試しだ』と、グラスを磨くマスターの上腕を指した……
高校時代から柔道でならし、腕力には自信のあった俺が、六十がらみのマスターに何度挑戦しても勝てなかった腕相撲。

『この味が分るようになれば一人前の大人さ』と言って、カクテルグラスを傾けるじっちゃんを真似てみても、ほろ苦いジンの味が美味いとは思えなかったマティーニ。

思えば鹿児島出身の薩摩隼人がパナマ帽を愛用し、最後まであの飲み方を貫いた。じっちゃんの年代にすれば随分と『ハイカラ』だったに違いない。

三十過ぎになって気が付けば、バーテンダーにその割合まで注文するようになっている。だから気取っていると言われるのかも知れないが。

ゆっくりと、このカクテルを1杯、あとはアイリッシュのロックを傾ける。
いつのまにか、じっちゃんと同じスタイルの飲み方になっている。

しかし未だにあのマスターに腕相撲が勝てないでいる。

written by Ipaken
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