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一頃、オレンジジュースとウォッカで作る「スクリュードライバー」なるカクテルが流行した。
別名「レディ・キラー」女性を酔わせて……という下心ミエミエのそのカクテルは
すっかり市民権をなくしてしまったかのようだが。
しかしそれよりも、このカクテルの方が効くという事を知っている女性は少ないかも知れない。
かすかに甘くジンジャーエールの喉越しスッキリ、
飲み過ぎると無味無臭のウォッカの効き目が「あとでくる」カクテル。 |
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| 【モスコミュール】 Moscow mule |
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ニューヨークのスパニッシュハーレムあたりなら話は別だが、比較的人通りの多いグアムの繁華街などは、日本人の一人歩きくらいどうって事はないと思った。かといって地下に降りるバーの扉を開けるほどの度胸もないが。
地元レストランのカウンター。肌が浅黒く恰幅のよいラティーノであろう中年女性バーテンダーは、観光客向けの教育された日本語ではなく、普通に英語で話しかけて来る。
「Scotch!」と注文すると、シーバスのボトルキャップを回しながら「ロォコ?」(on the rock?)と訛りのある英語で聞いてきた。
「yes」と簡単に応えた。
和製の発音は通じないだろうから、もう一杯飲みたければ空のグラスを振ればいい。
やがて後方から聞こえて来る耳慣れた日本語の会話、それも関西弁のイントネーション。声のする方に振り向くとテーブルに2人の女性。
チラチラと視線を向けていると、カウンターの向こうのお母さんバーテンダーは「you'll by beers?」二人の方に顎を突き出し、彼女達にオゴるか?と、訛りのある英語で聞いてきた。
答える前にいきなり「ヘイヘイ!カァミヤァ(come here)」とそのテーブルに手招きしながら声をかける。
おもわず日本語で「何すんだよ、いいって…」と制したが、すでに興味津々の彼女達はこっちに歩み寄って来た。
女バーテンはビールを二つ差し出すと、首を俺の方に傾けて彼女達に目配せをする、状況を悟った彼女達は「ありがとぉ」と語尾を上げた関西弁で微笑む。
「いえいえ、どうも、いきなり失礼、この母ちゃんがね」と、自分のグラスを視線まで持ち上げて応える。
ここが日本だったなら、こんな手が通用する訳が無い、海外旅行と言うこともあってか、その上フレンドリーな関西人(勝手な解釈だが)の彼女達はそのままカウンターに腰掛けた。
空のロックグラスを振り、ボトルから注ぎ足してもらう。
彼女達に分らないように小さく親指を立てて一瞬、瞳を見開き『うまくやれ』と合図する母ちゃんバーテンダー。ダブルの量以上に注いでくれた。
関西弁で自分を交えた会話に、アルコールの作用も手伝って愉快な気分になって来た。
「よっしゃ、もう一杯奢るワ…おなじのでええの?」関西弁の真似事でしゃべりだすと、益々その場が盛り上がった。
注文する前に母ちゃんバーテンダーは、黒い瞳をぐるぐる廻しながら『moscow mule』といってタンブラーを二つ差し出した。
そしてシーバスを俺のグラスに注ぎ込み、さっきと同じように親指を立てて眉を上下させた。
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| written by Ipaken |
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