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幻のそうめん

【復刻】大和小泉平索麺(奈良県)
■ご当地あらかると

大和小泉所在地
 現存する世界最古の木造建築のある寺で、世界遺産にも指定された法隆寺から北東へ約3km。大和郡山と法隆寺の中間地点に位置する大和小泉は、古くから大阪と奈良を結ぶ街道の要衝地として発展してきました。
 のどかな田園地帯と丘陵の住宅地の閑静な小泉は、近くに紫陽花の名所「矢田寺」や、茶道通ならその名を耳にしたことがある「慈光院」など、法隆寺と大和郡山のニ大観光地の通り道に留まらない、魅力あふれた地域でもあります。

■茶人・片桐石州

 秀吉亡きあとの豊臣家を支えたことで知られる片桐且元の甥で、大和小泉藩二代目藩主だった片桐石州。
 千利休の息子、道安の弟子に茶の指南を受けて茶道人となった石州は、4代将軍徳川家綱の茶道指南役の大役を勤めた当代随一の茶人。石州の手ほどきを受けた名士は将軍の他にも、副将軍水戸光圀公、会津藩主保科正之といった幕閣中枢をはじめ、松浦鎮信、松平不昧などの大名と、地方を問わずたくさんいました。石州の始めた武家茶道は石州流と呼ばれ、茶道を代表する流派の一つとなります。
 現在も石州流茶道は健在で、これら石州の門人が故郷に石州の茶を持ち帰り、各々が茶の道を発展させたため分派がたくさんあります。
 片桐石州が亡き父の菩提を弔うために建立したのが奈良県大和郡山市にある、江戸の大名茶道文化を今に伝える「慈光院」です。


■これが「石州麺」だ!

大和小泉平索麺
 さて。石州が慈光院で客人をもてなすために振舞った一品が、石州が自身で作った「平素麺」。なんと小麦粉を延ばすのに油を用いず、片栗粉や葛粉などのデンプンの作用を利用して、麺棒で叩いて平たくしてから延ばしたと言うアイデア料理。金閣寺の鳳林和尚はこのそうめんの美味さにすっかり惚れ込み、石州からそうめんを大量に譲ってもらって京都で知人に振舞ったとか。そのメンバーには、かの修学院離宮で有名な後水尾上皇の名前も。和尚はこのそうめんを「不油入素麺」(あぶらいらずそうめん)と呼んでその美味を記録しています。
 余談ですが、小麦粉料理が茶席の点心に使用されるのは、茶の湯が始まった室町時代以来の伝統でありまして、かの千利休も焼いた麩菓子を秀吉に献上しています。

 大和小泉藩の歴代家老に伝わったこの平素麺は幕府献上の品ともなったようですが、あくまでも商用ではなく懐石料理だったことがネックとなったのか?懐石料理が豪華になっていく過程でその存在は幻となり、古文書のなかへと埋もれることになってしまいました。

>>画像提供:株式会社イリグチ


■そうめん復活!

大和小泉平索麺商品
 手延べそうめんの世界ではヒネもの、という一年以上麺を寝かしたものが好まれます。これは麺に含まれている油と水が化学変化を起こして脂肪酸を作り、コシが強く延びにくい風味豊かな麺となるからです。逆に、小麦粉本来の美味しさだけを追求するなら、油は使わないほうが良いのです。
 さて。平成麺ブームを迎えて、高名な伝承料理研究家が古文書を紐解いて復元した「石州麺」。大和は吉野で採れた吉野本葛を練りこみ、伝説そのままに油を使わずに再現された「不油入そうめん」です。
 大和と言えば、すぐに三輪そうめんとなってしまうのですが、三輪そうめんとは「別の美味さ」を追求した石州麺、手延べそうめんの味にマンネリを感じた食卓に、茶道の点心に、麺マニアを極めるために、通信販売などでいかがでしょうか。

 ところで、この石州麺こそが稲庭うどんの元祖である!との説もあります。記録に残る年代は、石州麺(1661年)も稲庭(1665年)もほぼ同時代で、かなり信憑性のある魅力的な説となっています。奈良の石州と秋田の稲庭を結びつける「ミッシングリンク」の探索が待たれます。

>>画像提供:株式会社イリグチ


株式会社イリグチ
本社 奈良県大和郡山市新町919-1
TEL:0743-53-6789 FAX:0743-53-4483
URL http://www.iriguchi-net.com/
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