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>> そうめんじゃないの?
そうめんほどの古い食材になると、 その形状が修飾語句に使われることも多くなる。
そうめんのようなコシのある糸だ、など。
ついでに似た形状の食物にも○○そうめんとつけたくなる。
が、それを食べたことのない人にとっては紛らわしいことこの上ない。
さあ、一緒に叫びましょう。「え〜っ!そうめんじゃないの??」
海そうめん(石川)
磯釣りをしていると良く見かける、細長い緑色の、しかし根のない謎の海藻、海そうめん。根も葉もないのは当たり前、実はこれはアメフラシと呼ばれる海棲生物の卵なのだ。しかも生で食べても煮ても焼いても美味しくない。一般的に食用ではないのだ。が、能登地方では海そうめんを酢につけて調理し、海の珍味として名産品にまでなっているのだ。「そうめん」と「名産品」をキーに調べている人間にとっては至極紛らわしい話。「え〜っ!そうめんじゃないの??」
イカそうめん
日本全国イカ釣り漁船の泊まる港なら、どこででも食べることのできるイカそうめん。細いイカの足を生のまま醤油につけてツルツルっとそうめんのように食べることからこの名で呼ばれる。もちろん、美味しいイカそうめんは取れたての新鮮なイカに限られており、その味を知らない人も広い日本には多いものである。そんな人にとっては、イカそうめんとはイカスミで黒く染まったそうめんか、はたまた生臭いそうめんかと、気が気でないだろう(?)。貴方の気持ちはわかります。「え〜っ! そうめんじゃないの??」
鶏卵素麺(福岡)
そう、岩手に
卵めん
があるからには、これもきっと小麦粉から作られる麺だとお思いになるでしょう。しかもこちらもポルトガルから伝わった、カステラ同様舶来ものと聞けば尚更その思いを強くするでしょう。貴方はそうめん通です。この特集の熱心な読者かも知れません。しかし、鶏卵素麺は卵を蜂蜜で練ったとぉっても甘い洋菓子なのです。福岡名物として400年の歴史を誇る菓子であり、珍味風格伝統、いずれも特産の名に相応しいものなのですが、勘違いした読者のためにここは敢えて失礼を。「え〜っ!そうめんじゃないの??」
そうめんかぼちゃ
お店で購入したときは本当にかぼちゃです。そうめんかぼちゃは俗称で、金糸瓜と呼ぶのが正しいとか。どこからどう見ても野菜の金糸瓜、ところがこいつを茹でると、かぼちゃの中の繊維が糸のようになってしまいます。
太さ3mm、しゃきしゃきとした歯ごたえの嬉しい「そうめんかぼちゃ」の出来上がりです。
お皿に出されて新種のそうめんと言われれば、見た目には決して区別つきません。食卓の余興にみんなを騙しちゃいましょう。「え〜っ! そうめんじゃないの??」
【伝統】半田そうめん(徳島)
江戸時代から愛されてきた
伝統のそうめん
です。ウソ偽りなく正真正銘の伝統素麺です。
四国東部の太麺文化で育った半田そうめん、素麺としては太さ日本一かも知れません。ところが。
日本農林規格では「手延べそうめん」と「手延べひやむぎ」を太さで識別しており
、半田そうめんは太すぎて「ひやむぎ」になってしまうのです。このままでは法令違反の恐れがある、との警告が農林水産省より出されて問題化したのは、食品表示が社会問題になった2002年頃の話。
今は合併で消滅した当時の半田町が官民上げて政府と折衝を続け、「半田そうめん」のブランドはナンとか守られた次第ですが、それにしても。江戸時代から素麺とされてきたものを、急に法律で規制するとは文化保護の精神に反します。商標と食品名、慣習と法律、そして工程の機械化。難しい問題がそこにあるのはよく理解できるのですが、伝統産業の保護政策よりも、法の適用を先に通達してきたオヤクショ仕事に理不尽を感じるのは筆者の麺マニアゆえでしょうか?
おいしい
半田そうめん
を「ひやむぎ」に変えようとした、お役人に少しの怒りを込めて言ってやりましょう。「え〜っ! そうめんじゃないの?」
だってご当地では、まぎれもなく昔から「そうめん」なんですから。
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