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【番外編】讃岐うどんブーム考(2)

今回は讃岐うどんの背景に迫ってみたい、と思う。
讃岐平野は温暖な気候に恵まれ、早くから農業の発達した地域であった。
日本史上の早い時期から稲作と麦作の二毛作が行われ、うどんのような小麦粉料理が名産になる素地が古くからあった。
これには香川県が少雨のため水不足になりやすく、稲作が不作だった時の非常措置の意味合いもあったに違いない。
豊かな太陽に育てられた小麦は瀬戸内の天然塩と温暖な気候のなかで、名物讃岐うどんに育って行った。金毘羅さんの門前町でうどん屋がオープンしたのは江戸時代中期、当時流行の観光ガイドにも掲載されていたと言うから、江戸・大坂・京都の都市圏で庶民にうどんが愛好されていた頃には、既に琴平観光のなかで名物としての地位を確立していたようだ。
しかし、全国ブランドとなっただけでは、観光資源にも地場産業にもなり得ない。
ブランド維持の難しさは近代化の中で廃れた名物そうめんたちの悲しい歴史が示している。
では、どのようにして讃岐うどんは近代化の波を乗り越えたのであろうか。その答えを、私は昨今食べ歩きツアーで流行の、名物店に見出したい。
様々に語られる讃岐うどんの名物店であるが、特徴は次の通りだ。
・ド田舎にポツンとある、特殊な立地。観光施設や商業地とは無関係。
・従業員が家族または近所の若者のアルバイト。
・食事はセルフサービス。お客自らが薬味を刻んだり、ダシ汁をかけたりする店もある。
・値段がとにかく安い。都市圏のうどんの半分以下の値段で腹いっぱい食べられる。etcetc...
およそ【グルメ】という言葉に似つかわしくないこの特徴、香川県人の気質が特殊?という訳ではもちろんない。実に、讃岐うどんの名物店の多くは【製麺所】が兼業で営業しているものだからこその特徴なのである。小さな製麺工場がご近所の人に「おすそ分け」している延長線上で、営業しているお店が多いのである!
ところで。香川県人が「美味しいうどん屋」と認定する基準は、他県では見られない変わったツボがある。
・天ぷら、それも天カスが美味しいことを非常に尊ぶ。
・なぜか必ず「おでん」が置いてある。そしておでんには甘ダレを良くかける。
・うどんの味はいりこのダシや醤油がキメテ。麺の美味しさはうどん屋としての前提条件である。
・イナリ寿司やおにぎりも人気。
本体のうどんは麺そのものが美味しいから、麺の味を殺さないように、うどんのトッピングよりもこうした副食にこだわる。
そう、讃岐うどんとは、香川県人の準主食であり(他県人の筆者から見れば主食と言って差し支えない食習慣なのだが)地域の生活に密着して育まれた名物なのである。
(つづく)
次回近日掲載予定
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